このような疑問に、クロス取引歴2年のわたしが実体験をもとにお答えします!
一定期間、現物保有していれば確実にもらえる長期優待ですが、クロス取引ではどうなるのでしょうか? できることならクロス取引でも欲しいですよね!
条件を満たせばクロス取引でも長期優待をもらえます。
それでは、クロス取引で長期優待をもらうための攻略法について解説していきたいと思います。
長期優待のパターン
本記事では、株式の継続保有を条件に贈呈される優待のことを「長期優待」と呼びます。
長期優待には次の2パターンあります。
- 継続保有制限:一定年数、株式を保有する株主にのみ優待を贈呈
- 継続保有特典:株式を継続保有することで優待がグレードアップ
長期優待をもらうための条件
長期優待をもらう上で最重要なのは「株主番号」。基本的に株主番号を元に継続保有年数を判定するので、同じ株主番号で株主名簿に記録され続けるというのが大前提です。
以下では株主番号のほかに長期優待をもらうために押さえておきたい条件を説明していきます。
継続保有制限がある銘柄
優待に継続保有条件が付いている場合、決まった期間以上、株式を保有していないと優待がもらえません。とはいえ、ずっと現物株式を持ち続ける必要はないんです。決められた期日基準日の株主名簿に記載があれば継続保有と判定される場合がほとんどなので、その基準日を狙ってクロスすれば十分条件は満たせます。
ここでポイントとなるのは、「継続保有しなければいけない株数はいくらなのか?」。つまり、単位株(100株)の保有が必要なのか、端株(1株)でよいのか、ということです。
100株クロスだと資金拘束が大きいですが、1株保有でよいのであればぐっとハードルが下がりますよね。
優待をもらうまでに必要な継続保有株数は企業により異なるので、公式サイトで確認してくださいね。
端株で条件を満たせる継続保有制限ありの銘柄: オートバックス(9832)、新東工業(6339)など
継続保有制限のない銘柄
継続保有制限がない場合は、初回の権利確定日から優待がもらえます。そして株式の保有年数に応じて優待が増額・グレードアップされます。せっかく優待取得するなら長期優待も一緒にゲットしたいですよね。
長期保有特典の優待をもらうために押さえておきたいポイントはいくつかあります。
- 優待は年何回?
- 継続保有判定されるには、年に何回株主名簿に記載されるべき?
- 株主名簿への記載は端株でもOK?
上記は最小限の資金で長期優待をもらうためには是非チェックしておきたい条件です。これにより空クロスが必要かどうか変わってきます。
こちらも企業により異なるので、公式サイトで確認してくださいね。ただ具体的に記載されていない場合もあるので、そのときは実際に試してみるか他の人の事例で判断するしかありません。
まれに基準日ではなく任意の日に保有状況を確認する会社(例:サイゼリヤ)などもあります。
クロス取引するたび株主番号は変わる?
これは正直やってみないことにはわかりません。株主番号の付与ルールは企業ごとに異なるからです。
ただ2年以上クロス取引をして感じているのは、同じ証券会社で半年ごとにクロス取引をしていれば継続保有とみなされてきたケースが多いということです。半年ごとに保有チェックしている企業なら年2回の権利確定日の株主名簿に保有記録があれば株主番号がかわらないのかもしれません。
株式をすべて売却すると株主番号が変わると言われたりもしますが、株主番号が変わらないことも少なからずありました。わたしの場合、去年引越で住所が変わったときにも株主番号が変わらなかった銘柄もあります。
とはいえ、すべてに当てはまるわけではなく、半年のクロスで株主番号が変わった銘柄もあります。四半期ごとに保有チェックをしていたからですかね?理由はわかりません。株主番号の決め方については公式サイトで公表されていないことが多いので謎に包まれたままです。
クロス取引で長期優待をもらう攻略法
権利確定日にクロス取引
優待回数が年1回でも2回でも権利確定日にはクロス取引を忘れずに。権利確定日に1株も保有していなければ継続保有が途切れてしまい、また一からやり直しとなってしまいます。
端株で継続保有判定を満たす
これは次のようなケースで有効です。
《優待は年1回、3月末に100株保有で贈呈。1年以上継続保有で優待増額。継続保有となるには3月末・9月末の株主名簿に記載が必要》
3月:100株クロス+端株購入 ←通常優待
9月:端株で継続保有クリア
3月:100株クロス ←通常優待+長期保有特典
9月:端株で継続保有クリア
優待がもらえない月も株主名簿に記載が必要ですが、端株でOKのパターンです。
端株を保有し続けていれば、9月の継続保有判定は何もしなくても満たせます。優待がもらえるときだけクロスしていればよいのでラクチンなパターンです。
端株で継続保有判定を満たせる銘柄:オートバックス(9832)、エディオン(2730)、ヨロズ(7294)、日本取引所グループ(8697)、フジシールインターナショナル(7864)、コジマ(7513)、シュッピン(3179)など
空クロスをする
これは次のようなケースで有効です。
《優待は年1回、3月末に100株保有で贈呈。1年以上継続保有で優待増額。継続保有となるには3月末・9月末の株主名簿に100株以上の記載が必要》
3月:100株クロス ←通常優待
9月:100株 空クロス ←優待はなし
3月:100株クロス ←通常優待+長期保有特典
9月:100株 空クロス ←優待はなし
《優待は年1回、3月末に100株以上を半年以上継続保有する株主に贈呈。半年以上の継続保有とは3月末・9月末の株主名簿に100株以上の記載が連続2回以上あること》
9月:100株 空クロス ←優待はなし
3月:100株クロス ←半年以上の継続保有を満たすため優待獲得
つまり、優待がもらえない月も株主名簿に単位株以上の記載が必要なパターンです。
上記の場合、端株では継続保有判定を満たせないので、優待はもらえないですが100株空クロスをする必要があります。優待がもらえないのに100株分の資金が拘束されるのは痛いですが、高利回りの銘柄なら空クロスしてでも長期優待を狙う価値はあると思います。
注意としては、クロス取引をし忘れると継続保有が途切れてしまいます。また、次に記載する通り、クロス取引だけでは株主番号が変わってしまう可能性もあるので、確実に長期優待を狙う場合は端株保有をおすすめします。
空クロスで継続保有判定を満たせる銘柄:アダストリア(2685)、JR九州(9142)、JR西日本(9021)、ヤマザワ(9993)、AVANTIA(8904)、マニー(7730)など
端株で株主番号の変更を防ぐ!
クロス取引だけでは株主番号の同一性が維持できるのか100%保証はできません。すべての現物株をいったん現渡してしまったら、次の取引でどんな株主番号が割り当てられるか確かでないからです。
でも、1株でも端株を保有していれば、株主番号が変わることはありません。そのため、確実に同じ株主番号でいたい方はクロス取引の際、あわせて端株を購入することをおすすめします。
まとめ
クロス取引を続けるからには長期優待も狙っていきたいところですよね。まずはその企業のサイトで継続保有の条件を確認することが重要です!
そして、大事な株主番号の同一性についてですが、過去の取引では半年ごとのクロス取引では株主番号が変わってしまったケースもありました。クロス取引と同時に端株を購入しておくと株主番号が変わらないので安心ですよ。