この記事ではこのような疑問に答えます。
新幹線の切符をお得に購入する方法の一つに、JR系の株主優待があります。基本的には「株主優待券1枚で割引対象区間の片道料金が半額になる」という非常にお得な優待券。
でも場合によっては割引対象区間をまたいで旅行したい場合もありますよね。しかし公式サイトには割引対象区間を超えてしまった場合の料金がどうなるか、あまり詳しい例示がないので、一体いくらお得になるのか分かりづらいのが本音。
そこで先日、実際にJR西日本のみどりの窓口で株主優待利用時の料金についていろいろ確認しに行ってきました。本記事では窓口で実際に教わった内容を踏まえ、JR西日本の株主優待を使用した場合の料金について、具体例を交えながら分かりやすく紹介していきます。
JR西日本の株主優待の対象区間
JR西日本の営業路線に限り優待券が使用できます。営業路線はJR西日本の公式サイトから確認できます。
ざっくり言うと、
山陽新幹線の新大阪から博多間、北陸新幹線の金沢から上越妙高間
でJR西日本の株主優待が利用できます。
注意が必要なのは、新幹線と在来線では微妙に営業路線が異なること。たとえば新大阪から米原間の場合、新幹線では割引対象外ですが、在来線では優待利用可能です。ややこしい…。
営業路線の境界付近では優待利用できるのか素人では判断しづらいので、余裕があれば窓口に確認することをおすすめします。
JR西日本の株主優待適用後の料金
博多⇒新大阪まで(自由席)の場合
こちらはJR西日本の営業路線内を移動するパターンです。
自由席の通常料金と優待適用後の料金を比べると次のようになります。※ここでの通常料金は往復割引を考慮していない片道運賃です。
<博多~新大阪間(自由席)の料金比較>
通常料金:14,750円(乗車券9,790円/特急券4,960円)
優待適用後の料金:7,370円(乗車券4,890円/特急券2,480円)
博多~新大阪間で株主優待を使った場合、通常料金と比べて7,380円もお得になります!
ところで「博多ってJR九州じゃないの?」と思いきや、実は新幹線の博多はJR九州とJR西日本の境界駅で、博多から上り方面の新大阪まではJR西日本の管轄なんですよ!(ただし在来線の博多はJR九州の管轄)
小倉⇒名古屋まで(自由席)の場合
こちらはJR西日本の営業路線内を超えて移動するパターンです。
小倉から名古屋まで移動する場合、新大阪がJR西日本の境界駅となります。したがって、「小倉から新大阪」がJR西日本の優待適用区間で半額、「新大阪から名古屋」は通常料金となり、これらを別々に計算し合算した料金が合計金額となります。
結論から先に言うと、料金は次のようになります。※ここでの通常料金は往復割引を考慮していない片道運賃です。
<小倉~名古屋間(自由席)の料金比較>
通常料金:16,600円(乗車券10,670円/特急券5,930円)
優待適用後の料金:12,870円(乗車券7,860円/特急券5,010円)
小倉~名古屋間で株主優待を使った場合、通常料金と比べて3,730円お得になります!
博多から新大阪の場合の7,000円以上の値引き額を考えると「あれ?」という感じですよね。距離は延びているのに値引き額が減ってるでは…!JR西日本の営業区間外を出ると、長距離の区間でも期待するほどの割引を受けられないことが多いです。
では、気になる株主優待適用後の料金の詳細を解説していきます。
JR西日本の株主優待を使った場合の小倉~名古屋間の料金の詳細 |
<乗車券> ・小倉~新大阪:4,450円(通常の半額) ・新大阪~名古屋:3,410円(当該区間の通常料金) 乗車券合計:7,860円 |
<特急券> ・小倉~新大阪:2,480円(通常の半額) ・新大阪~名古屋:2,530円(当該区間の通常料金) 特急券合計:5,010円 |
JR西日本の境界駅である新大阪駅で区切り、JR西日本の営業区間である「小倉~新大阪」は乗車券・特急券の運賃が半額、他社区間である「新大阪~名古屋」は通常料金で計算されます。
まとめ
本記事ではJR西日本の株主優待を利用した場合の新幹線料金について解説しました。
JR西日本の営業区間で利用するなら間違いなくお得な株主優待。でも、割引対象外区間を含む区間の切符を購入する場合は要注意です。割引対象外区間が長くなるほど、株主優待の割引の恩恵が薄れるどころか、区間を区切ることでむしろ割高になるケースもあります。
上手く使えば新幹線の切符を安く購入できる嬉しい株主優待。優待利用時の運賃計算の流れを知り、無駄なく優待を活用してくださいね。